金は極めて高い耐食性を持ち、電気、熱の電導性が良く更に低い接触抵抗を兼ね備 えた金属である。
それらの特性に応じて、金めっきも装飾用から、電子、電気部品な どの工業用に至るまで多く利用されている。
処理可能サイズ
種類 | 処理可能サイズ |
---|---|
フープ | 幅:120mm、厚さ:0.5-0.8mm |
フープ(部分金) | 幅:55mm、厚さ:0.5-0.8mm |
フープ(部分金) | 幅:60mm、厚さ:0.1-0.5mm |
一般 | 450mm×100mm×550mm |
表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Cu/Ni1b,E-Au0.5b(工業用) Ep-Cu/Ni1b,D-Au0.5b(装飾用) b:光沢,:数字は膜厚 (銅素地上めっき膜厚1μmの光沢ニッケルめっき+0.5μmの光沢金めっき) |
外観・色調 | 金色 |
膜厚 | 0.5μm(通常電子部品)※取り決めによる(0.05μm単位) |
皮膜硬度 | 170-190Hv |
注意点 | ・保管、運搬中は高温多湿を避けてください。 ・取扱い時,傷に注意して下さい。 ・微少部品以外はトレー仕切りにより製品同士の接触を避けてください。 |
銀は電気と熱の伝導性が金属の中で最も良いので用途は広い。 銀めっきも電気接点やIC 、LSI のリードフレーム等の工業用をはじめ、アクセサリーや食器等の装飾用に幅広く使用されている。
当社処理可能サイズ:600mm×550mm×100mm(静止、回転光沢銀)
フープめっき仕様:ニッケルめっき上光沢銀、銅めっき上光沢銀
処理可能サイズ
種類 | 処理可能サイズ |
---|---|
フープ | 幅:120mm、厚さ:0.5-0.8mm |
フープ(部分金) | 幅:55mm、厚さ:0.5-0.8mm |
フープ(部分銀) | 幅:60mm、厚さ:0.1-0.5mm |
一般 | 450mm×100mm×550mm |
表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Al/Ni1b,E-Ag5b ※b:光沢,s:半光沢,m:無光沢 ※E-:工業用,D-:装飾用 (アルミ素地上に光沢ニッケルめっき1μmを下地としてめっき膜厚5μmの工業用光沢銀めっき |
外観・色調 | 銀色(金属色<光沢・無光沢>) |
膜厚 | 0.5μm |
皮膜硬度 | 100-160Hv、超硬度 180-210Hv |
注意点 |
|
工業用銅めっきは、極めて重要な機能を果たしている。
特に導電性、均一電着性の特性を活用したプリント配線板のスルーホールめっき、更に精密電鋳、印刷ロール、浸炭防止等も均一電着性、加工性、経済性等の特性により広く利用されている。
また古くから、ニッケルあるいはニッケルクロムめっきの下地めっきとして広く利用されてきた。
当社処理可能サイズ・量:静止浴 1150mm×670mm×300mm、バレル浴5~20kg/バレル(処理量 5t/日)
各種銅めっき浴の特性と主な用途
銅めっきの種類 | 皮膜特性 | 利用分野 |
---|---|---|
硫酸銅浴(酸性) | 光沢性・平滑性・柔軟性 | スルーホールめっき、電鋳、印刷ロール、浸炭防止、プラスチック上へのめっき |
ホウフッ化銅浴(酸性) | 高速めっき可能 伸び率は悪い | 電鋳、印刷ロール |
シアン化銅浴(アルカリ性) | 鉄・亜鉛ダイカストへの直接めっき可能 光沢性・平滑性 |
ストライク用、下地めっき、 浸炭防止(無光沢)、厚付け(無光沢) |
ピロリ酸銅浴(アルカリ性) | 均一電着性・結晶緻密・引っ張り強さ・伸び | 導波管、スルーホールめっき、電鋳 |
亜鉛めっきは、鉄に対して優れた犠牲防食作用があるため鉄素地に達するピンホールあるいは引っかき傷ができても亜鉛がアノードとなって溶解し、鉄がカソードとなって陰極防食されるためである、すなわち亜鉛が自己犠牲的に溶解して、鉄の腐食生成物(赤錆び)の発生を防止している。
当社処理可能サイズ:3000mm×1450mm×300mm
装置名 | 仕様 | 処理 |
---|---|---|
回転酸性亜鉛 (塩化浴) |
エレベーター式50㌔バレル装置:7基 (自動ベーキング付ライン3基含む) エレベーター式20㌔バレル装置:1基 |
三価クロメート、三価ユニクロメート、三価クロメート(緑色)、有色、ユニクロ |
回転亜鉛 (青化浴) |
エレベーター式50㌔バレル装置:1基 (変形防止乾燥) |
三価クロメート、有色 |
静止大型酸性亜鉛 | 液量26.000L | 酸電解(黒皮対応)三価 |
静止大型亜鉛 | 1号液量21.000L 2号液量32.000L 3号液量28.800L 4号液量22.000L 5号液量21000L 6号液量45.000L 7号液量24.000L |
三価 三価 三価 三価 三価 三価、有色 三価 |
静止ジンケート浴 | 1号液量20.000L 2号液量45.000L |
高耐食三価、三価黒 高耐食三価、三価ユニクロ |
静止亜鉛キャリア | 液量8.800L | 三価、有色、ユニクロ(酸電解) |
当社の亜鉛めっき特徴
・全て自動ラインで処理を行っているため品質が安定している
・液管理は1回/2日の分析補給(社内分析)
・膜厚管理は蛍光X線、電磁膜厚計で測定し客先に提出している
・表面観察は目視、拡大鏡、電子顕微鏡で行い素材加工ミスも 見つけることが可能である
亜鉛めっき三価クロメート 表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Fe/Zn5/CM2C三価 (鉄素地上の亜鉛めっき5μm三価クロメート) |
||
色調 | 白色青色~薄い干渉色 | ||
膜厚 | 5μm,8μm | ||
塩水噴霧試験結果 | |||
5μm | 8μm | ||
白錆発生時間(hr) | 96 | 96 | |
赤錆発生時間(hr) | 168 | 240 | |
めっき浴による皮膜特性 | |||
青化浴 | 塩化アンモン浴 | ジンケート浴 | |
鋳物めっき性 | × | ○ | × |
めっき硬度(Hv) | 60-100 | 70-90 | 120-150 |
耐、後加工性 | ◎ | ○ | ○ |
色 調 | 白色青色~薄い干渉色 | 薄い干渉色 | |
注意点 | ・ 保管、運搬中は高温多湿を避けてください。 ・ 運搬中の三価クロメート擦れ傷防止の為仕切りトレイ (製品同士の接触防止が望ましい) |
亜鉛めっき三価黒色クロメート 表面処理仕様書
JIS記号 | EP-Fe/Zn5/CM2(K)三価 (一般的表示法)MFZn5B 又は三価黒色 鉄素地上の亜鉛めっき 5μm 三価黒色クロメート |
|||
色調 | 黒色 | |||
膜厚 | 5μm,8μm | |||
塩水噴霧 試験結果 |
塩化アンモン浴 | ジンケート浴 | ||
5μm | 8μm | 5μm | 8μm | |
白錆発生時間(hr) | 72 | 72 | 96 | 96 |
赤錆発生時間(hr) | 120 | 168 | 500 | 500 |
*塩化アンモン浴 ファスナー類 | ||||
めっき浴による皮膜特性 | ||||
塩化アンモン浴 | ジンケート浴 | |||
鋳物めっき性 | ○ | × | ||
めっき硬度(Hv) | 70-90 | 120-150 | ||
耐、後加工性 | ○ | ○ | ||
* 六価黒色クロメートとの比較 ・耐食性:同等又加熱耐食性に優れている。 ・経時変色:銀を使用していない為、変色・退色がない。 |
||||
注意点 | ・ 保管、運搬中は高温多湿を避けてください。 ・ 運搬中の三価黒色クロメート擦れ傷防止の為仕切りトレイ (製品同士の接触防止が望ましい) |
亜鉛めっき三価ユニクロメート 表面処理仕様書
JIS記号 | 規定なし | ||||
色調 | 白色・青色 | ||||
膜厚 | 5μm,8μm | ||||
塩水噴霧試験結果 | |||||
膜厚(μm) | 5μm | 8μm | |||
白錆発生時間(hr) | 72 | 72 | |||
赤錆発生時間(hr) | 168 | 240 | |||
*5%白錆、赤錆発生時間 | |||||
* ジンケートめっき浴に適合する。 | |||||
注意点 | ・保管、運搬中は高温多湿を避けてください。 ・ 運搬中の三価黒色クロメート擦れ傷防止の為仕切りトレイ (製品同士の接触防止が望ましい) |
亜鉛めっき有色クロメート 表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Fe/Zn5/CM2 (一般的表示法)MFZn5Cr 鉄素地上の亜鉛めっき 5μm 有色クロメート |
|
色調 | 干渉色 | |
膜厚 | 5μm,8μm | |
耐食性(Min) | ||
項目 | 5μm | 8μm |
白錆発生時間(hr) | 96 | 96 |
赤錆発生時間(hr) | 240 | 384 |
*5%白錆、赤錆発生時間 | ||
めっき浴による皮膜特性 | ||
塩化アンモン浴 | ジンケート浴 | |
鋳物めっき性 | ○ | × |
めっき硬度(Hv) | 70-90 | 120-150 |
耐、後加工性 | ○ | ○ |
注意点 | ・保管、運搬中は高温多湿を避けてください。 ・ 運搬中の有色クロメート擦れ傷防止の為仕切りトレイ(製品同士の接触防止が望ましい) |
亜鉛めっきユニクロクロメート(光沢クロメート) 表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Fe/Zn5/CM1 (一般的表示法)MFZn5CB 鉄素地上の亜鉛めっき5μmユニクロメート |
|
色調 | 青色 | |
膜厚 | 5μm,8μm | |
耐食性(Min) | ||
項目 | 5μm | 8μm |
白錆発生時間(hr) | 24 | 24 |
赤錆発生時間(hr) | 48 | 48 |
*5%白錆、赤錆発生時間 | ||
めっき浴による皮膜特性 | ||
シアン浴 | 塩化アンモン浴 | |
鋳物めっき性 | × | ◎ |
めっき硬度(Hv) | 60-100 | 70-90 |
耐、後加工性 | ◎ | ○ |
注意点 | ・保管、運搬中は高温多湿を避けてください。 ・運搬中のユニクロメート擦れ傷防止の為仕切りトレイ(製品同士の接触防止が望ましい) |
ニ ッケルめっきは、R.Boettger が1843 年に最初に硫酸ニッケルと硫酸アンモニウムと を含有するめっき浴から得られた外観的に緻密なニッケルめっきについて記載しているの が始めてであると言われている。
1894 年ごろからは温度を上げた硫酸ニッケル・ほう酸浴が多く使われた。 1915 年には有名な0 .P .Watts による高速めっき法のワット浴が開発された。その後p H 管理法、低pH めっき浴の使用、光沢ニッケルめっき浴などが開発された。
ニッケルの特徴は堅くて、薬品にも強く、色調も良くて変色しにくい。また、強磁性の金属でもある。ニッケルは各種の金属素地に直接密着のよいめっきができるので、めっき に利用できる金属としては最も重要な金属の一つとなっている。
用途はクロムめっき、貴金属めっきの下地めっきに使用するニッケルめっきや金属の装 飾や腐食防止に使用するめっき、またニッケルの適度な硬さや機械加工性の良さを利用し て各種工業的な分野にも多用されている。
そのほか、機能めっきの分野では金、銀などが 素材への拡散を防止するための下地めっきとして、また、磁性めっきとしての利用もある。
さらに、電鋳製品として、プラスチック成形金型、箔、各種メッシュ、ダイヤモンドドリ ルなどの多くの用途がある。
当社は、その皮膜物性によりワット浴、スルファミン酸浴、塩化浴等の各種浴で無光沢、半光沢、光沢ニッケル皮膜の作製が可能です。
表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Fe/Ni10b b:光沢,s:半光沢,m:無光沢 (鉄素地上めっき膜厚10μmの光沢ニッケルめっき) |
|
外観・色調 | 金属色(無光沢・半光沢・光沢) | |
膜厚 | 10μm | |
耐食性 塩水噴試験 (JIS Z2371) |
時間 | RN |
8hr | 9.5 | |
24hr | 9.3 | |
注意点 | ・ 保管中は高温多湿を避けてください。 ・ Niめっき皮膜の変色を避けるため、新聞、紙等で保護してください。 |
亜鉛めっきの犠牲防食は膜厚が耐食性を高めることになる。
それに対し亜鉛合金系めっきにおいては亜鉛の中に亜鉛より貴な金属を入れることにより
めっき皮膜の溶出速度(腐食速度)を抑え、防錆の時間を長くしている。
【参考】
・SAWAテクニカルレポート「ステンレスと亜鉛合金めっき、亜鉛めっきの耐食性」
・SAWAテクニカルレポート「高耐食性皮膜の比較」
表面処理仕様書
亜鉛ニッケル | ニッケル 5~10%を含む合金でジンケート浴と酸性浴があリ、 耐食性及び耐熱性に優れている。 ジンケート浴は広い作業範囲で合金比率が均一であリ、 また均一電着性にも優れている。 酸性浴は、電流効率がよく、素材を選ばないが、 電流密度により合金比率が異なる。 ・ 耐熱耐食性に優れている。(エンジン近傍の部品へのめっき) ・ 被膜硬度が高い ・ 塩水噴霧試験、複合サイクル試験に対し良好な耐食性を示す。 ・ 高Ni仕様は高い耐食性の黒色が得られる。 ・ 亜硫酸ガス耐食性試験に弱い。 |
|
当社での製品例 |
主に自動車部品、電装部品 | |
当社で可能な仕様 | 亜鉛ニッケル合金(ジンケート浴)三価 (高Ni)三価黒色、三価 |
※当社で処理できないもの(試作では対応可能)
亜鉛ニッケル合金めっき三価クロメート 表面処理仕様書
JIS記号 | JIS記号規定なし | |
Ni共析率(%) | 5-10 | |
クロメート種類 | 三価 | |
色調 | 赤紫色-青紫色 | |
塩水噴霧試験結果 | ||
膜厚(μm) | 5 | 8 |
白錆発生時間(hr) | 144 | 144 |
赤錆発生時間(hr) | 960 | >1000 |
皮膜硬度(Hv) | 200-250 | |
膜厚 | 5μm、8μm(平均又は膜厚測定箇所指定) | |
*従来の亜鉛ニッケル合金めっきとの比較 ・皮膜硬度はNi共析率8%よりも硬い。 |
||
注意点 | ・保管中は高温多湿を避けてください。 ・保管、運搬中、取り扱い時、製品同士の接触による傷に注意。 ・ トレイ仕切等の梱包方法が望ましい。 |
亜鉛ニッケル合金めっき・三価黒色クロメート 表面処理仕様書
JIS記号 | JIS記号規定なし | JIS記号規定なし | JIS記号規定なし | |||
Ni共析率(%) | 5-10 | 12-18 | ||||
クロメート種類 | 三価 | 三価黒色 | 三価 | |||
色調 | 赤紫色-青紫色 | 黒色 | 赤紫色-青紫色 | |||
塩水噴霧試験結果 | ||||||
膜厚(μm) | 5 | 8 | 5 | 8 | 5 | 8 |
白錆発生時間(hr) | 144 | 144 | 168 | 168 | 240 | 240 |
赤錆発生時間(hr) | 960 | >1000 | 960 | >1000 | 960 | >1000 |
皮膜硬度(Hv) | 200-250 | 350-450 | ||||
膜厚 | 5μm、8μm(平均又は膜厚測定箇所指定) | |||||
*従来の亜鉛ニッケル合金めっきとの比較 ・皮膜硬度はNi共析率8%よりも硬い。 |
||||||
注意点 | ・保管中は高温多湿を避けてください。 ・保管、運搬中、取り扱い時、製品同士の接触による傷に注意。 ・ トレイ仕切等の梱包方法が望ましい。 |
亜鉛めっきの犠牲防食は膜厚が耐食性を高めることになる。
それに対し亜鉛合金系めっきにおいては亜鉛の中に亜鉛より貴な金属を入れることにより
めっき皮膜の溶出速度(腐食速度)を抑え、防錆の時間を長くしている。
【参考】
・SAWAテクニカルレポート「ステンレスと亜鉛合金めっき、亜鉛めっきの耐食性」
・SAWAテクニカルレポート「高耐食性皮膜の比較」
鉄 - 亜鉛 | 皮膜中に0.4~0.8%の鉄を含む合金でノーシアンアルカリ(ジンケート)浴
であり亜鉛系合金めっき中最もランニングコストが安く、 銀を含まない外観の良好な黒色クロメートを得ることが出来る。 ・ クロメート処理により耐食性が飛躍的に向上する。 ・ 銀を含まない良好な黒色クロメート皮膜が得られる。 ・ ランニングコストが安い |
|
当社での製品例 | 主に自動車部品、二輪車 | |
当社で可能な仕様 | 亜鉛鉄回転浴三価黒色クロメート |
※当社で処理できないもの(試作では対応可能)
表面処理仕様書
JIS記号 | 規定なし | |
色調 | 黒色 | |
塩水噴霧試験結果 | ||
膜厚(μm) | 5μm | 8μm |
白錆発生時間(hr) | 200 | 200 |
赤錆発生時間(hr) | 960 | >1000 |
皮膜硬度(Hv) | 120 ー150Hv | |
*六価黒色クロメートとの比較 ・耐食性:同等又加熱耐食性に優れている。 ・経時変色:銀を使用していない為、変色・退色がない。 |
||
注意点 | ・ 保管、運搬中、取り扱い時、製品同士の接触による傷に注意。 ・ 運搬中の三価黒色クロメート擦れ傷防止のため 静止めっき形状品は、仕切トレイ(製品同士 の接触防止)が望ましい。 |
亜鉛めっきの犠牲防食は膜厚が耐食性を高めることになる。
それに対し亜鉛合金系めっきにおいては亜鉛の中に亜鉛より貴な金属を入れることにより
めっき皮膜の溶出速度(腐食速度)を抑え、防錆の時間を長くしている。
【参考】
・SAWAテクニカルレポート「ステンレスと亜鉛合金めっき、亜鉛めっきの耐食性」
・SAWAテクニカルレポート「高耐食性皮膜の比較」
銀 - 亜鉛 | スズ 60~95%を含む合金で一般的に中性有機酸浴とジンケート浴が使用されており、 スズ、亜鉛両者の欠点を補い長所を生かした耐食機構を持った合金である。 クロメート処理を施すと耐食性が更に向上する。 中性有機酸浴は常温で作業ができ、腐食性が少なく、 めっき速度が速い。 また、2価のスズ塩を使用しているため酸化による自然消耗があると、 高電流部の析出が粗くなりやすい。 ジンケート浴は4価のスズ塩を使用しているため浴の安定性が良く、均一電着性が優れており、 高電流密度でも平滑、緻密な被膜が得られる。 ・ スズの含有率が70%で耐食性がもっとも優れている。 ・ 塩水噴霧、亜硫酸ガス試験に対して優れた耐食性を持つ。 ・ 硬度がやわらかく、二次加工性にも優れている。 ・ はんだ付け性に優れている。 |
|
当社での製品例 | 自動車部品 | |
当社で可能な仕様 | スズ亜鉛(有機酸浴)合金三価クロメート |
※当社で処理できないもの(試作では対応可能)
表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Fe/Sn-Zn8/CM2三価 (鉄素地上スズ亜鉛合金めっき8μm三価クロメート) |
色調 | 薄い干渉色 |
膜厚(μm) | 8μm |
塩水噴霧試験結果 | |
白錆発生時間(hr) | 48 |
赤錆発生時間(hr) | 960 |
Sn共析率 | 70-80 |
皮膜硬度(Hv) | 13-15 |
注意点 | ・保管、運搬中、取り扱い時、製品同士の接触による傷に注意。 ・運搬中の三価クロメート擦れ傷防止の為、仕切 トレイ等の梱包方法が望ましい。 |
硬質クロムめっきは、あらゆる産業分野に使用されている。
これはクロムめっきの優れた性質によるもので、硬さが大であり、摩擦係数が小さいので、耐摩耗性、
密着性が良く金型に使用すると離型性が良好であり、摩滅や削りすぎた部品の補修ができるなどによるものである。
当社処理可能サイズ:4000mm×1500mm×500mm
表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Fe/ICr10 (鉄素地上めっき膜厚10μmのクロムめっき) |
色調 | 金属クロム色 |
膜厚 | 10, 15, 40, 80, 200μm(平均又は膜厚測定箇所指定) |
皮膜硬度 | 850Hv以上 |
耐食性(JIS Z2371) | 24Hr RN 8 (10μm仕様) |
注意点 | 保管、運搬中、取り扱い時、製品同士の接触による傷に注意。 |
今日の光沢ニッケルめっきは、大部分硫黄を含む有機添加剤が使用されているが、
これは耐食性には悪影響を及ぼす。
このため硫黄含有率の違うニッケルめっき皮膜を多層にめっきすることにより
高耐食性の光沢ニッケルめっき皮膜を得ることができる。
当社のニッケルクロムめっき仕様:Cu-SBNi(半光沢Ni)- BNi(光沢ニッケル)- Cr
表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Fe/Ni10,Cr0.1 (鉄素地上Niめっき膜厚10μm, Cr0.1μmのニッケルクロムめっき) |
外観・色調 | 金属色(高光沢ー装飾性) |
膜厚 | 10μm±0.1μm |
皮膜硬度 | Ni:400-500Hv Cr:850Hv |
耐食性(JIS Z2371) | 赤錆発生時間 1440Hr |
注意点 | ・ 保管中は高温多湿を避けてください。 |
表面処理仕様書
JIS記号 | Ep-Fe/Cu2,Sn5s ※b:光沢,s:半光沢,m:無光沢 ※下地めっきは、Cu,Niが一般的である。 鉄素地上に銅めっき2μmを下地としてめっき膜厚5μm の半光沢スズめっき |
外観・色調 | 金属色(半光沢、光沢) |
膜厚 | 5μm |
皮膜硬度 | 半光沢 8-14Hv 光沢 15-20Hv |
注意点 | 保管・運搬中、高温多湿を避けてください。 めっき後、6ヶ月以内でご使用ください。 めっき皮膜が柔らかく、微小部品以外は、トレイ仕切により製品同士の接触を避けてください。 |
表面処理仕様書
品目 | 鉛フリーはんだ |
記号 | Sn-Ag |
種類 | |
特性 | はんだ付け性 |
表面処理仕様書
品目 | 抗菌めっき |
記号 | |
種類 | ニッケル金属色 |
特性 | 抗菌性 |
表面処理仕様書
めっき膜厚 | 400-700μm(薄・厚膜可) |
耐熱性 | 熱処理条件 500℃-1Hrで割れ・剥がれ無し |
使用分野 | はんだコテのコテ先(減摩・食われ防止) 補修用(金型肉盛り) 強度アップ(アルミ・銅・銅合金素材) 耐食性アップ(各種めっきとの組み合わせ) 接合性アップ(軟・硬ロウ付け用) |